遠回りする順番

愚かなゲイのメモ帳

エンドレス・サマー後編

諸事情で11月までニート生活が決まりました。

今まで人の1.5倍働いていたので、1.5倍休んでもバチは当たらないでしょう、と開き直っております。

何をしようか悩んでいます。

8月で疲れは取り切ったので、今度は休み疲れしないように何かをしないといけない、という気持ちになっています。

 

元親友・Kのお話、後編を書いていこうと思います。

 

あらすじ。

「こころ」のKのようなストイックさのかけらもない私の元親友・Kは、バレなければ何をしても問題はないという思想のもと、我が家に謎の方法で住み着き、窃盗をして小銭を稼ぎ、そんな重大な事件を心に秘めながら変わらず親友然として交遊し、時折マネケンのワッフルなど少しお高めなお菓子を差し入れてくれる良い友達を装っておりました。

理由をつけては努力を怠り極貧生活から抜け出せない彼の資金源は、私の某カードゲームの某トップレアカード(数万〜数十万)であるため、そういった差し入れを喜びお礼を言う私の姿は、彼の目にはさぞ滑稽に映ったでしょう。

しかし運命は常に最終的には幸運な私に傾くわけで、衣服を忘れるという凡ミスで窃盗や不法侵入が明るみになりますが、大馬鹿者の慈悲によって反省の機会は奪われ、なんか許された、と思った彼はさらに増長するのでした。

 

どうやってKは私の家に住みつけたのか。

答えは簡単で、合鍵でした。

Kに罪を追求し、許す際にどうやって作ったのか訊ねると、我が家の鍵の合鍵を盗み、その合鍵を複製した、と答えました。

ちなみに合鍵は棚の隅に置いてある貯金箱の中に隠しておりましたので、おそらくそこからお金を盗む際に見つけたのでしょう。

彼は根っからの泥棒なのでした。

 

もちろん鍵を返してもらいましたが、もう一つの罪、窃盗に関しては決して認めませんでした。

この時、私は高額レア入りモダンデッキと、現スタン環境で最強のカードを何枚も売られており、その上レアカードを入れてるストレージに甘ったるい匂いのする透明で粘性のある液体をぶちまけられて使用する予定のカードが使用不可の状態にされておりました。

それほどの罪を犯し、犯人はあなたしかいないと詰められながらも、Kは「それは本当に違う!家にいるのが嫌で勝手に住み着いていただけで、ほかに迷惑をかけることはしていない!盗みなんてなおさらしていない」と言い逃れをするのでした。

神経が太いというか、自己肯定感が強いというか、無垢のフリをする彼をそれ以上問い詰めることはできませんでした。

盗まれたカードの価値がわかる、いつでも盗める唯一の人物だった、貧乏なくせに妙に羽振りが良くなって毎週のようにフライデーナイトマジックに参加している、などの根拠はあるものの、盗んだという決定的な証拠はありませんので、友人を疑うことを極端に嫌う私は、罪の糾弾を諦め、2度としないように約束させたのでした。

 

ちなみに犯罪者はそもそも信頼されるつもりがないので約束を守ったりしないので、Kも例に漏れず、そんな約束は無意味なのでした。

Kの不法侵入発覚から二ヶ月後の話。

私たちの関係は変わらず、家でMtGをしたり、プレリリースイベントに出たりと、特に変わったこともない平穏な生活をしておりました。

怪奇現象もピタリと止み、ちゃんと反省してくれたんだな、と私は安心しました。

起動していないはずのプレステ4がオンライン状態になり、外出してる時に友達にゲームに誘われる、という新たな怪奇現象が時折発生していましたが、何かのバグかな?と特に気に留めず、放置しておりました。

 

その日私は夜遅くまで外出しておりました。

Kは遊びたかったらしく予定を聞かれたので、帰りが遅くなるという意味で、「今夜は家にいない」と返事をしました。

そして終電で辿る帰路、友達から連絡が来ました。

「今、DbDにログインしてるよね。よかったプレイしよう!」

帰宅していないので断りましたが、

「ええ、でも今一緒に脱出したよね?」

と不可解なことを言われます。

「そんなバカな。だって今、私は駅から歩いて帰ってるところなんだよ?」

丁度、私はコンビニで明日の朝ごはんを選んでいるところでした。

恋人も家族もいない私の家に、誰かがいるわけないのです。

しかし、今この時、何者かが私の家で私を装ってゲームをしているのです。

それはとても恐ろしいことでした。

「警察を呼んだほうがいいよ」

友達は至極真っ当な意見を提案しましたが、大馬鹿ものである私は、ある程度犯人の察しがついており、逮捕はさすがに哀れだと、単身で不法侵入者がいる我が家に乗り込むことにしました。

 

もしこの時、我が家にいる人がガチの逃亡中の連続殺人犯で、犯罪パワーを使って這入っていたとしたら、今頃私の命はなかったでしょう。

警察と一緒に行かないということは、今考えるとかなり危険な行動だったと思います。

ですが、結果オーライなことに、家にいたのは案の定、Kでした。

何もオーライではないのですが、

Kは布団を敷いてパンツ一丁で我が物顔で寝ていました。

クーラーをガンガンにつけ、電灯はつけっぱなし、テレビもつけっぱなし、プレステでシャーロックホームズの映画を流し、机には食いかけのコンビニで購入したツマミに、我が家のコップが置いてありました。

紛れもなくその空間の所有者はKでした。まるで自分ち感覚です。

そしてその時私は、「犯罪者って殺しても罪に問われないんだっけ?」、「Kからもらったケトルで沸かしたお湯を顔にかけてもいいかな?」、「机の上に置いてある財布、今なら盗んでものバレなさそうだな」と、冷静に復讐の方法を考えておりました。

 

思ったより長くなりそうなので、今日はここまでで。

この話を発覚編として、この後は、逃亡編、裁判編がありますので、気ままに書こうと思います。

 

今日も夜更かししてしまいました。

おやすみなさい。